
ハイランドパークは、地元の教会の牧師であり、ウイスキーの密造者でもあったマグナス・ユンソンによって設立されました。マグナス・ユンソンは説教壇の下にボトルを隠し続けていましたが、1798年、ついに最初のウイスキー製造免許を取得。それから200年以上経った今も、私たちはマグナスを手本に、自分たちの決めたルールややり方にこだわって、ウイスキーをつくり続けています。例えば、マグナスの秘密の隠し味、つまりオークニーのヘザーで燻されたピートがもたらす、ほのかなスモーキーフレーバーを大切にしながらつくるということ。クラフトマンシップの伝統を維持しながらも、情熱をもって、再構築しているのです。

オークニー島はいつの時代も、メインストリームとはかけ離れた特別な場所でした。北海の中でも、およそグリーンランドの最南端と同緯度に位置するこの最北の地は、その圧倒的な自然の美しさだけではなく、そこに住む、クリエイティブでたくましい精神をもつ住民もその魅力の一つ。ハイランドパーク蒸溜所では、オークニーの唯一の環境とそのコミュニティから、日々インスパイアを受けて、自分たちだけのオンリーワンな道を追求していく勇気をもらっています。それは、ウィスキーづくりにおいても、人生においても。

オークニーの独特な風土と美しい自然。それは長年、クリエイティブで、たくましくて、型にはまらない生き方している人たちを引き寄せてきたようです。その結果、オークニーのコミュニティは、世界中、どこを探しても見つからないような特別なコミュニティとなりました。冒険心に満ち溢れているのに、決して気取らない、そんな人たちが織りなす、ユニークな場所です。私たちは、こういったコミュニティの一員であること、そして彼らとともに働くことから、日々大きなインスピレーションをうけています。

オークニーの地に一歩踏み入れると、まず出迎えてくれるのは、何と言っても、すがすがしいほどに強い風です。実のところ、あまりにも強いその風のせいで、この島では木々が育ちにくい環境となっています。そのかわり、毎年夏になると紫の美しい花、ヘザーが島全体を彩るのです。湿原に堆積した泥炭は「ピート」と呼ばれ、ウイスキーの原料である麦芽に香りづけをする大切な原料ですが、私たちがピートを採掘しているホビスター湿原では、このヘザーが生い茂っており、それが何千年もかけて堆積しながら、ピートに、なんともいえない甘いアロマティックな香りをもたらしてくれます。ハイランドパークは、世界で唯一、このオークニーのヒースで風味づけされたピートを使っている蒸溜所であり、その風味は、ハイランドパークのすべてのボトルから感じて頂けます。かすかなスモーキーさはウイスキー全体の複雑さを繊細に引き立ててくれる重要な存在です。

”カスク”とは、ウイスキーの熟成に使う木製の樽のこと。ハイランドパークでは、いつも必ず、最上級の品質の”カスク”を使うことにこだわっています。なぜなら、ウィスキーのフレーバーの決め手は、このカスクが60%を占めており、なんと、ウィスキーの色については100%の影響を与えるからです。そんなカスクからインスピレーションを受け、ハラインドパークの新しいパッケージは繊細な木目がデザインされています。それは私たちが、シェリー樽で熟成させたカスクにどれほどのこだわりをもっているか、そして、私たちがそれらのカスクがウイスキーに与えてくれるフレーバーをどれほど高く評価しているかを物語っています。
